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《リベンジ☆ラブ…恋になるまで…》
第2章 距離感
…※…※…※…

時は過ぎ6月半ばの土曜日の授業後、美術部は休みで綾香は慎吾が部活を終えるのを校舎と体育館の間で待っていた。

テニス部は先ほど終わり唯からメールがきたが遥斗の事を考え遠慮し帰る誘いを断る綾香。

「2人の時間を大切に」っていう唯のアドバイスで慎吾を待っているだけあって、唯と遥斗の時間も大切にしてあげたいからの思いだ。

『野球部も終わってる、慎吾ちゃんまだかな…ふあぁ、眠い…』

綾香は場所を移動しベンチに座りまたあくびをしカバンからまたスマホを出しゲームをする。

まだまだ体育館からはボールの音が聞こえ終わる気配がない。

『ふあぁ…また、あくび…』

午後2時にあくびをするには早いが来週からの中間試験に向けて一昨日から2時間余計に勉強していた為に眠くてしょうがないのだ。

……
陽射しが傾いて夕方になる頃に眼をあけ辺りを見回すと静まりかえった静寂さが不安にさせ綾香はベンチから立ち体育館の方に走ったがボールの音は聞こえない。

更衣室は何処?

やっと探しあてた更衣室は鍵がかかっていて誰もいないとわかる。

『慎吾ちゃんいないの?…』

土曜日の午後4時だから部活もそれくらいには終わっていて誰もいないのは当然なのだ。

『慎吾ちゃん何処?』

『何?』

『慎吾ちゃん何してる?』
『今から風呂』

メールをするが今から風呂だという慎吾は家に帰っているようで彼女は深いため息をつく。

『待っていた時間って一体…何だかすっごい損…』
歩いて校門に向かい校門と校門の間にかけられている柵を押すが鍵がかけられていて開かない。

ガチャガチャン‥
開かないという音が綾香を落胆させる。

柵は綾香の胸の下辺りまであり両腕に力を入れ飛び越えようとしても腕が疲れ震える為に手を離して荒い息をする。

『お母さん、お父さん、唯…』

お母さん…

スマホでのり子に電話をかけてみるが留守電にかわってしまい諦める。

『もう一度…』
綾香は再び柵に手をかけ力を入れて飛び越えようとするが先ほどのありさまで手を離す。

何度も何度も柵に手をかけたがスカートがひっかかり足を柵にかけるには無理があった。

涙が頬を伝う。
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