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《リベンジ☆ラブ…恋になるまで…》
第2章 距離感
『次、誰が助けに立ち止まるかわからないけど?』
男子は綾香の行動を待つ。

嫌なら帰ると言っていたのよね?
そう、立ち止まりはしても誰も助けようと声をかけてはくれなかった…

勇気を出して彼の手を借りよう…――

『お願いします』
綾香は柵に手をかけ力を入れたが何度もチャレンジしていた為に肘が左右にぶれて柵から手が離れそうだ。
その時男子が彼女の両脇に手をかけ持ち上げたので、綾香の背丈は彼より高くなり少しだけ見おろすかたちになった。

掴まれた脇から伝わる女子とは違う手の感触と力強さ、見上げる男子の視線も相まって綾香の顔は更に赤くなり顔をそらす。

『軽いな、48キロってとこ?年下かと思ったくらい小さくペタンコな体型だけど胸もほどほど』

脇を掴んでいる為にシワが寄りほどほどの胸でも形が分かるようで、
おかしそうに男子はあははと笑った。

『体型を気にしてるのにっ』

『ずっとこのままだと悲惨だけど歳を重ねたら変わるんじゃないの?』

『そう?』

『あんたの母さんも同じなわけないだろ?』

『唯に言わせるとグラマーだって』

『じゃああんたは成長期って事で気にする事ないんじゃない?不安ならしっかり牛乳飲みな』

軽い軽いと言わんばかりに男子は更に綾香を持ち上げたので楽に柵に足がかけられそうだ。

だがスカートが邪魔で裾が引っ掛かり男子の肩にしがみつくようにして綾香は柵に引っ掛かったスカートを直した。

そうすると綾香の太ももが男子の眼にさらされてしまう。

『ギリギリ見えないんだな…』

パンツの事を言っているのか……………。

反論するより男子が彼女を更に持ち上げた為に綾香は男子の肩に両手をあずけた。

『しっかりつかまってろ』そう言うと共に男子は綾香の脇からお尻と太ももに腕を絡ませ彼女を校門側の地面にゆっくりと下ろしていく。

『じゃあな、これで帰れるだろ』

『うん』

去っていく男子の後ろ姿に綾香は嬉しそうに手を振った。

しがみついた時いい匂いがした…
でも少しだけ汗のにおい…
そして長い茶色の髪……
茶髪くん――

彼は茶髪くん。
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