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第2章 距離感

その日の夜、柵を越えられず帰宅が遅くなった事により両親は心配していた。
土曜日等友達と用事がない限り明るい内に帰宅している綾香だからこそ、
何かあったのではないかと中山家の楓と探していたのだ。

最近一緒に帰っている綾香と慎吾なので【待っている綾香がいない事に気にも止めないという配慮のなさ】から彼は楓に怒られていた。

綾香も綾香で家にいるそぶりで会話をした事にのり子から注意を受けた。

――何があっても２人一緒に帰るように――
そんな決まりをのり子・楓は綾香と慎吾に言いきかせていた。

慎吾は楓から怒られた事は自分には関係ないとばかりに思っているので、
とばっちりだとばかりに綾香を責めた。

『綾香のせいで怒られた。
うろうろせずにいつも居る所で待ってろ』

眠ってしまった事、他の場所に移動していた事を思い出すと綾香は慎吾の文句に対し言い返す事が出来ない。

ただでさえ綾香と慎吾が２人で帰る事に対し佐伯あゆみは嫉妬の目をむける。

２人は彼彼女でありながら幼馴染みという曖昧な関係なのだ。

なんだか非常に友達なら気が楽でもあるが彼彼女となると関係の線引きが曖昧ときている。