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第3章 思いやりは…

…※…※…※…

秋が過ぎ冬がきて時は過ぎ、やがて新入生が入ってくる４月になった。

唯とはクラスが別れ慎吾とは同じクラスで佐伯あゆみは遥斗と一緒になる。

『綾香〜』
『唯〜』
メールや電話で会話をしプライベートでも遊びに行く２人、中学で親友になり高校入学してからも同じクラスになっていたからかクラスが別れるとなると寂しくて抱き合うのだ。

『女子同士でばっかみたい』
綾香と唯が振り返ると佐伯あゆみがイライラした雰囲気を漂わせ腕組みしクラス変えの一覧表を見ていた。
“行こ、行こ”と目配せし綾香と唯はその場を後にし教室前でまたハグをする。
『綾香は人見知りだから心配だわ、クラスに馴染めるかな…』

『唯のクラスに遊びにいく、いざとなったら慎吾ちゃんいるし』

『せめて綾香と部活が一緒だといいのに…』

『あたし運動苦手だからテニスは無理だよ…』

『いつか見学にでも来て、あたしと遥斗のダブルスでも見ていって』

『ラブラブだ、羨ましい』
『中山とは失恋と言えるのかな？――――綾香には綾香に合った男の子がいつか、ね』

『あたしに合った？おとなしいガリ勉タイプ…――ん〜、今はいい。人から嫉妬の目で見られるの嫌だから』

仲のいい２人は親友関係は相変わらずのようだ。

ただ、唯が言うように綾香は人見知りだから唯がいないクラスではどうなることやら。