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《リベンジ☆ラブ…恋になるまで…》
第3章 思いやりは…
…※…※…※…

3日が過ぎた月曜日、
昨日さんざん悩んでやっと決心した綾香は50分早く家を出てテニス部の朝練を見ていた。

遥斗が綾香に気がつき唯を呼ぶと唯が走ってくる。

『ユニフォームじゃないんだ?』

『朝練は着替えやすいようにジャージで夕方の部活は練習用のユニフォームを着るのよ』

『上は半袖だけど下はジャージだから暑そう、走り回ってるし』

『だからタオルとデオドラントスプレーがかかせないの』

だから唯はいつもいい匂いがしてるのね。

『唯、お母さんに頼んでみたの…遥斗くんから渡してくれない?』
綾香は思い出したように赤くなった。

『綾香だめだめ、向こうで素振りしてるから呼んであげる』

『何?何?』

唯は遥斗の好奇心をさえぎるかのように手を上下にふってから後ろをむいた。

『なか――ううん、注目浴びそうだから呼んできてあげる』
中川くんと大きな声で叫びかけた唯は人見知りの綾香の為に注目を浴びないよう遥斗の肩にそっと触れた。
遥斗が中川を連れてきて唯と遥斗は何事もなかったように練習に戻った為に綾香と中川はみんなから注目されずにすんだ。

『何?』
『お弁当…』

『いらない』
『えっ?』

お弁当が入ったブルーの巾着を持つ手が震えそうになる。

『同情?ほどこし?俺がお腹をすかせているから?
もらう理由なんてないのでいらない』

中川は綾香に背を向けコートの方に歩きだした。

同情なんて違うの…
ほどこしなんて違うの…
茶髪くんがお腹をすかせているから…当たってる…

お腹が鳴るのが可哀想で何故かお腹を満たしてあげたくて――

茶髪くんの事を3日間考えた後の行動だったのに…

泣いちゃいけないっ

無理やり弁当を持ってきたのはあたしなんだもの…
持って帰ろう…――

お母さんがニヤニヤしながら作ってくれたのになんて言い訳しよう………

必要なくなったから?
あたしのいらないお節介だったから?
お母さんごめんね――

綾香はお弁当を抱え歩きだした。

涙が頬を伝う。

『泣き虫なんだから俺がいじめたみたいだろ』

―――!?
顔をあげると茶髪くんが走って戻ってきていたのだ。
『泣き虫先輩が作ったの?』
『お母さん』

『もらうよ』
『ええっ?』

中川は綾香が抱えるお弁当を手に笑った。
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