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《リベンジ☆ラブ…恋になるまで…》
第5章 似ているから惹かれ合う
✿ ✿ ✿
月曜の昼休み、綾香と中川の弁当後の勉強
は各科目授業の復習になりノートや教科書の要点を蛍光ペンでラインでわかりやすくするために工夫してやっていた。
『ここは試験に出やすいからチェックね』
『歴史はストーリー形式で覚えると楽かと思うわ』
『あの先生もうすぐミニテストをしたくて問題を作ってるかも、黒板を2度指した箇所は必ずテストになるの』
等など1年先輩である彼女はアドバイス出来るのであった。
チャイムが鳴る前に中庭から校舎へと歩いてく中で中川がポツリと呟く。
『教えてくれる時のあんたはまるで別人で楽しそう、勉強好きなんだなって思うよ。俺には信じられねーくらいに』
『小学生の頃からお父さんお母さん直人兄があたしの勉強をみてくれたからかな、走るより辛くないから』
『頭のいい親父さんに瑞穂大の兄貴、勉強までいい環境ってズルくね?』
『ズルいって?、あたしの生まれ育った環境だからズルなんかしてない、慎吾ちゃんに教える側で手間かかってるのに』
『慎吾………』
中川の声のトーンが少しだけ下がる。
『…ごめん、慎吾ちゃんの事はもう言わない…茶髪くんが気にするならもう…』
『別に…』
別にといいはしたが中川は彼女からそう言われ昨日の中山慎吾へのこだわりを綾香が覚えていて茶髪くんが気にするならもう言わないというセリフに嬉しくて含み笑いをした。
『無理すんなよ、ちゃん付けまでして呼ぶくせに』
『慎吾ちゃんは幼馴染…茶髪ちゃんではおかしいでしょ』
『優等生でおかしな奴、茶髪ちゃんはないない』
階段の手前で手をふって分かれる時何故か宮川夏樹が眠そうな目で2人を視ていた。
『森部先輩構うことなんかない、無視して早く教室に逃げろっ』
中川は綾香の肩を軽く押し教室に急ぐように指示していた。
『感じ悪い1年が!お前には用はない』
宮川は中川を睨み綾香を振り返った。
『先輩、立ち止まるな!こいつの言う事に反応するんじゃない!』
中川は早く行けと指を指した。
『貴様っ!』
宮川は中川の胸ぐらを掴んだ為に教科書とノートが廊下に落ちていく。
殴り合いが始まるかと綾香は階段途中で立ち止まり空の2人分のランチボックスがカラカラとかすかな音をたてる。
『何をしてるっ?』
体育教師が2人を離すように手で制した。
『何もありません、肩がぶつかっただけ』