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《リベンジ☆ラブ…恋になるまで…》
第6章 立ちはだかる………
宙を舞い落下していた弁当は中を見るまでもなくぐちゃぐちゃになっている事は想像出来る為に綾香は涙をにじませながら平静を装おうとした。

『食べよ…っか…』
情けなくて下を向く。

『泣きそうになってんだろ、出ようっ』
中川は綾香の手を握り屋上を出て昼からは使わないであろう音楽室へと向かいドアを開ける。

丸椅子に座り弁当を開けるとやはりぐちゃぐちゃになっていた。
すかさず中川が自分のととり替えて一口食べる。

『茶髪くん…それあたしの…』

『可哀想だろ、それに俺がキャッチ出来なかったら探しに行くつもりだった…せっかく作ってくれてるのり子さんのためにも』

綾香は自分を大切にしてくれるだけでなく母親のり子の事への気使いまでみせる中川の思いやりある行動や言葉に泣いてしまう。

『泣かないで食べなきゃ部活までもたないだろ…俺の弁当はあんたのよりも多いから残りは食べてやるし』

『…うん』

チャイムがなり始め綾香は食べかけの弁当にフタをしようとしていたが中川がそれを制し首をふる。

『まだ半分残ってる、5時間目サボろう』

『サボりっ?ダメ、受けなきゃ』

『のり子さんの弁当残しちゃ悲しむだろっ…作ってもらえるだけ感謝しろよ』

綾香は中川の弁当事情を知っているだけに感謝して食べろというセリフに授業をサボることにした。

『6時間目は戻ろう…先輩』

『……眠い…土曜から今朝まで寝てなくて……』
宮川のテキスト制作に寝てないのだ、綾香は椅子に座ったまま眠り始めた。

中川は綾香の頭を自分の肩にもたせかけ肩を抱いて見守ってやる。
2人は6時間目もサボり放課後綾香は中川に謝るのだった。

『いいよ、俺はサボり慣れてるし』

『あたし悪い生徒になっちゃう?』

『なんねえよ』

部活に向かう生徒の中に混じり2人は教室に戻り綾香は震える手でカバンを手に部室へと歩くがクラスの生徒の反応を気にする真面目な綾香の性格である。

それにも増して彼女は中川の優しさに胸をあつくし時折ときめいて頬に手をやりため息をついた。

中川は中川で泣いて無防備に寝てしまう綾香を可愛く思うのだ。


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