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第6章 立ちはだかる………

何あれ？
可哀想っていうかカレカノの喧嘩ならダサくね？
等という話声が聞こえすぐに足早に
サンダルやスニーカー、革靴等と足早に去る関わりたくないという音。
ベビーカーに乳児のふえぇと泣く声「びっくりしたね早く帰ろ」とあやす母親。

誰も関わりたくない、またはカップルの痴話喧嘩だと思っているのだろう。

誰かから助けられることがあってもなくても今あたしの心は酷い風が吹いているような気がする…
茶髪くん、あたしの家族、唯…
茶髪くんたぶんあたしは茶髪くんがいればそれであたたかくなれる…
こんな場面でも泣かないでいられる…
でもいないのに手を広げてかばってくれる彼を望んじゃダメ…

いつから茶髪くんを必要として…？

『とにかくテキストっわかったなっ』
まるで言い聞かすような口ぶりだ。

何度言えばっ、そう言葉にしかけた綾香を遮るかのように宮川弟のこんな疑問が返ってきた。
『兄さんの彼女？』

『春樹こんな地味目誰が、聞いてなかった？下僕は目立たなくて結構』

『そっか、僕も゙受験受験で毎日同じで退屈〜』
退屈そうに手提げカバンを頭上でぶらぶらさせている。

『受験頑張れば春樹の下僕として好きに使え、僕は卒業するし』

『好きに？パシリとか例えば色々な事、アハハ』
受験後の楽しみを想像しているのが目がニンマリと細くなる。

『あたしは誰の下僕でもありませんっ』
なんて人なんだろう、そんな苛立ちから彼女は立ち上がり反論する。

『行こ春樹、時間の無駄』

『人前で叩いた事謝ってくださいっ、そう中川くんにも、何事もなかったかのように先生と談笑するなんて茶髪くんに謝ってほしい』

いつかの学校での出来事を言っているのだ。

『ウザ…』
宮川は吐き捨てるよう。

『人を下僕扱い、茶髪くんにも謝りもしないとか先生に言う事真剣に考えますからっ』
彼女なりの反抗だ。

『………』
宮川は黙り綾香とは反対方向へと春樹とともに歩いてく。

『うさんくせえ…春樹頼んだ…』
そう聞こえたような、だが綾香には聞き取れてはいなかった。

✿　✿　✿

少しだけ頬があかい事に中川が気がついたのは夕方綾香の家に行った時だ。

理由を話す彼女を中川は心配そうにそっと抱きしめた。

『茶髪くん玄関…』

『いい、そんなの…』
彼はそっと彼女の頬にキス。

『あんたは俺じゃないんだから無理すんな』