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ありがとう、先生
第2章 二
年の差夫婦になって、よくある事と言えば……
「何だよ!援助交際って!そんなわけあるかっ!」
金曜の夜。時刻は0時。
家のリビングに入ると、幸次郎さんはコートをソファに投げながら憤慨した。
「まぁまぁ、幸次郎さん……」
そのコートを拾いながら、私は宥めるように話し掛ける。
折角の金曜日の夜だし、二人とも翌日が休みだから飲みに行った。……までは、良かった。
まさか帰りに、警察から話しかけられるとは。
『夫婦の証明出来るものを見せて』など、それは幸次郎さんも怒るのは当たり前だ……。
「ふぬけ警官め!どう見たってラブラブ夫婦だろうが!」
「まぁまぁ……」
拾ったコートをハンガーに掛けると、そそくさと寝室へ入り、私はクローゼットにしまう。
相当怒っている……。お酒も回っているし。これはもう寝て忘れさせるしかない。