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ありがとう、先生
第2章 二
「幸次郎さん、もう寝て……」
振り返って、リビングへ向かおうとする。
しかし、
「りっちゃん……」
いつの間にか後ろに立っていたであろう幸次郎さんから抱き締められると、目を丸くした。
「どうしたんですか?」
「俺、そんなにオジサンかなぁ……」
「全ッ然!若いです!」
幸次郎さんが落ち込んだように話すと、急いでフォローする。
お酒臭い……。それはおいといて、幸次郎さん、さっきの事結構気にしてるの?
「でも、俺といたら、りっちゃんは援助交際してると思われる……?」
「それは……たまに?思われるだけで?」
そっと幸次郎さんの頭に手を伸ばし、ヨシヨシと頭を撫でた。
「俺は良いんだよ!俺は、りっちゃんが思われるのが嫌なのぉ!」
「ありがとうございます。私は平気です〜」
そのまま幸次郎さんの言葉が嬉しくて、思わず微笑むと、
「律、ありがとう」
更に強く抱き締められ、私も抱きしめ返した。