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有翼神は翼無き女性を愛する~異世界の溺愛恋模様
第2章 目が覚めたらパラダイス

「ルーキフェル、いつの間にそんな産まれたてを囲った? 囲ってもルーキフェルのモノでもなし、口説いてなにが悪い」
「いつだろうがお前には関係ない、俺が囲う、それだけで意味があると思うがな。それすらも分からんかティア」
「ふん、欲しいものは奪え、それが悪魔だろうが。
あぁ、ルーキフェルは別だったな」
「……それを言うかティア」
「!?」
なに……?
私の隣に居るルーキフェルの雰囲気が、凄く冷たいものに変わるのが分かるの。氷……うんん、絶対零度のような、ルーキフェルの周りだけが、寒々しい空気に捕らわれているような感じ。
冷たい、冷たい、感情のないような深紅の瞳。先ほど私が見たルーキフェルの瞳より更に赤みが増し、その顔に表情は……ない。これが同じルーキフェルなの? 私には全く別人に見えるくらい怖い。
「もう一度制しないと分からんというのであれば、俺に楯突いた報いは受けて貰うぞ」
「ルーキフェル! ま、待て!?」
「待つ気などない」
片手を前に出せば、ルーキフェルの手に現れる大剣。このきらびやかな場所とは正反対の、黒1色に染め上げたように見える刃が長く鋭い凶器。それが恐ろしいほどにルーキフェルに合っているのはなぜ?
「消滅しない程度には手加減してやろう、だが誰に刃向かうかその身に叩き込んでやらねばなるまいな」
「だから待て! ルーキフェルと戦う気など俺様にはないぞ。勝てん戦いなんざ、まっぴらごめんだぜ」

