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有翼神は翼無き女性を愛する~異世界の溺愛恋模様
第3章 思慮深い悪魔ルーキフェル

余計なことを考えているうちに、ルーキフェルの部屋に着いたみたい。この場所は散策していなかった神殿の一番奥にあたるところ、こんな場所にルーキフェルの部屋があったんだね。
ルーキフェルが軽く扉に触れると、自動的に開く。だけど……。
「……黒」
「気に入らんか? 俺はこのほうがいい」
室内はルーキフェルの髪を思わせるような漆黒。うんん、真っ暗でなにも見えない。でも、ルーキフェルが入った途端に、部屋のランプが1つ、また1つと灯っていく。
部屋の全てが見えても、室内は黒、黒、黒! 全てを黒に塗り固めたような錯覚さえ感じてしまう。
「ここがルーキフェルの部屋」
「そうだ。俺らしいと思わんか?」
「他は白なのに、ここだけ黒だなんて……」
「悪魔には黒が相応しい。
見せかけだけなら白にも出来る、だが悪魔の本質は偽れん。黒く野心を持つのが悪魔の性質、それを部屋にしただけだ」
「……黒……」
どうしても引っかかるの、本当にルーキフェルがそれを望んでいるのかって。でもこれは私の勘で、ルーキフェルが言うことのほうが正しいのかもしれない。なんだろうこのジレンマは、私はどうしちゃったのよ。
「……余裕だなエイミス」
「え……?」
「その姿でここに連れて来た、その意味を分かっているのか?」
「あ、私……」
そう、裸のままルーキフェルに横抱きされているんだったよ。ということは、私は襲われるの? それは少し嫌だと思う、だってルーキフェルは繋がらないと言ったじゃない。

