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有翼神は翼無き女性を愛する~異世界の溺愛恋模様
第4章 思案と困惑~ルーキフェルside

競りの前に売られる奴隷を確認することが出来る、だが俺のお眼鏡に叶う人間はそうは居ない。
ぶらぶらと、檻に入れられた奴隷を値踏みして歩くのもまた一興。
下働き、使用人、労働、観賞用、性人形、性欲解放。ここには様々な種類の奴隷が存在する。
(人間共の暗い欲、俺には心地いい負の塊)
悪魔は人間の生死と享楽をこの手に握る。つまりここは俺には打ってつけの場所。奴隷を買い一晩中犯し続け、最後には死という解放をくれてやる。それが奴隷を楽にさせる近道、飼い殺しよりはマシだろう。
「それにしてもマトモなのが居ない。俺が好みそうな女も皆無ときた」
違う、条件に合う女は居る、俺のほうがその気にならんだけの話。……比べているんだろうエイミスと、その程度の自覚はあるつもりだ。
(なぜ引っかかるのか)
どんな理由か知らんが、俺のテリトリーに倒れていたエイミス。結界を破り侵入すれば俺が気づいたはずだが、それすらなく突如現れたと言っても過言ではない。
「変な言葉を言っていた。ニホン、トウキョウ、それが手がかりなのか?」
エイミス……エイミと名乗った、男も知らん不思議な女。この言葉を調べる方法がないわけではないが、いちいち俺が調べるのも面白くないだろう。
そうは思うが、ここで奴隷を買い享楽に耽るよりは、いくらか興味が惹かれる。
「俺が己の欲より調べることを優先するとは、知られると嫌味でも飛んで来そうだ」
誰とは考えたくもない。興醒めした奴隷市場から、同じ下界にある、ある場所をめざす。

