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有翼神は翼無き女性を愛する~異世界の溺愛恋模様
第5章 俺様登場悪魔ティア

 初めて料理を出された時、箸とは言わないけれど、ナイフもフォークも無いので、似たような物を用意して貰った。違うんだ、でも手づかみで食べるのはワイルド過ぎない?

「果物や木の実が主でしょう、それだと鮮度を確かめるためにも手で摘まんだほうが確実なんだ」
「それは言えてるかも」
「肉や魚もあるけれど、ちゃんと手づかみ出来るように料理されてる。逆になにかを使って食べるのは、下界の風習だよ」
「神様って意外に飾らないね」
「食べ物の命を摘まみとるのが食事、神だからこそ命を手で感じ食す。こんな意味合いも込められているから、エイミスも手づかみで食べて欲しいな」

 食事1つでも奥深い話。私たちは日々食事をとるのに、そんなことなんて一切考えたことは無いよね。神は小さいことでも意味を持たせる……そんな感じを受けた。
 リャナンシーに言われた通りに手づかみで食事を済ませたら、次はくるくる丸められた紙を沢山持って来たの。これは微かに知ってる、羊皮紙と言ったかな、昔の人が使っていたとテレビかなにかで見た記憶があるもの。

「これを読むの? 私、字が分からないと思う」
「読む? まさか。
これを開いて手をかざして」
「う、うん」

 適当に1枚取り、丸まったのを開けばびっしりと絵が描かれている。それに手をかざせば……。

「……あ!?」

 不思議。この絵の内容が自然と頭の中に入ってくる。
 今開いたのは……神々の創造。天界と下界、そして地界を作る神。神の上にまだ神が存在し、至高神とか始まりの神とか呼ばれている。
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