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有翼神は翼無き女性を愛する~異世界の溺愛恋模様
第2章 目が覚めたらパラダイス

 私は初めてその男性をマジマジと見つめる。
 肩に付くか付かないかくらいの黒髪を無造作にかき分け、私を見る瞳は深紅……赤より深紅という言葉が似合う瞳の色。背は凄く高く、ふんわりした黒い服を胸板を露出させて着こなしている。
 なにより一番気になったのは、超絶イケメンなのよ! 全身黒でキツめの瞳が目立つ中で、その精悍で全てのパーツが完璧な、顔面偏差値MAX男性なんて私は初めて見たかもしれない。

「もう一度聞く、お前はどこから来た」
「どこからと言われても、日本の東京から来ましたとしか……」
「ニホン? トウキョ? なんだそりゃ」

 はい? 日本ですよ、東京ですよ、一応は世界でも知名度はそこそこある国ですが知らない?
 ここが天界だったら、下は普通に私たちの世界じゃないの?

「東京です東京、スカイツリーがある東京です……知らないの」
「知らん。神々繋がりでもそんな名の楽園は無い。ましてや地界でも聞かないな」
「東京が……無い……」

 え? え? 本当にここはどこですか。ワタシノニホンゴ、ツウジテイマスカ……あぁダメ、頭がおかしくなりそう。

「たくっ、とんでもないのを拾った気分だ」
「わ、私だって好きで拾われたわけじゃないです」
「俺のテリトリーに倒れていたくせによく言う。お前が倒れていたから、俺がここまで連れて来た」
「テリトリーってなに?」
「……そこからかよ」

 なんでそんなに呆れられなくちゃいけないのよ、私は……そう私は睡眠薬自殺を図ったのに、どうして生きているの。

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