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有翼神は翼無き女性を愛する~異世界の溺愛恋模様
第2章 目が覚めたらパラダイス

「どうして簡単に手が出せないの? 私はそっちが疑問だわ」
「神々は一対として契りを交わす。永遠に1人を愛しパートナーになることを誓約するんでな、簡単にはパートナーを選ばん。
その代わり地界で女を侍らす神も居れば、地界の女をさらい自分の神殿で好きにする神も居る。地界の人間は範疇外だからな、そっちでウサを晴らすのが普通だ」
「つまり今のままの私じゃ、地界の人間と同じ扱いってこと?」
「どこか違うとは思うが、現状は人間と変わらん」

 そりゃそうよ私は人間だもん。神々と言っても私たちと同じじゃない、なのにそんなに区別されるなんて、本当に理不尽極まりないわよ。
 だけどルーキフェルが隠してくれなければ、私は神々の餌食。ここだけの話、私はまだ処女なのよー! 処女どころかキスの経験すらなく、そろそろ喪女と呼ばれていいようなお年頃……言っておくけど、まだ22歳だからね。

「もうエイミスでいいから、ルーキフェルが言う隠すのやって。餌食になるなんて勘弁して欲しいわ」
「ほぅ、漸く理解したか」
「不服満載だけど仕方がないわ」

 私の言葉に、ルーキフェルがもっと私に近寄る。もう鼻先が触れ合うほど近いんですけどこれ。
 イケメン耐性が低い私では、目に毒のような美貌が目の前にあるだけでドキドキしているのに、ルーキフェルのほうは真顔だなんてなんかズルい。

「……汝エイミスの名にて我と契約する、契約の証は1つ汝の唇を貰おう」
「え、唇……ん!?」

 分からない呪文を詠唱したルーキフェルの唇が……私の唇を塞いだ。
 その瞬間、頭が真っ白になる私、だって、だって、ファーストキスを奪われたのよ!

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