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ピアノ
第4章 初めてのセックス
啓子は幸一の雪で濡れたセーターやズボンをハンガーに吊るし、自分の下着と一緒に彼の下着を洗濯機に入れると、幸一の母親に電話を架けた。
「吉野でございますが」
「あ、水元です」
「あら、先生。幸一がいつもお世話様になって。あの、レッスンは?」
「いや、実は…」
啓子は、幸一が大雪の中、やっとのことで訪ねてきたが、雪まみれで震えていたこと、そして、お風呂に入って、ようやく落ち着いたこと等、掻い摘んで説明し、今夜はこちらに泊めると伝えた。
「あ、いや、そんなことまで……主人が迎えに行きますが」
「いえ、この雪ではとても無理です。それに幸一君はすっかり眠っていますから」
「そうですか……それでも、やはり」
「いえいえ、お気になさらず」
こんなやりとりがあったが、最後は信頼されているせいか、「お世話をお掛けします」と言ってくれた。
寝室を覗くと、ベッドサイドの小さなライトが灯る中、幸一は寝息を立てて眠っていた。そっとしておけばいいのだが、先程までの雪にまみれて震えていた姿を思うと、本当にもう大丈夫なのか、気になって仕方がない。
啓子は傍らに近寄り、手を伸ばして頬に触れた。すると、僅かに彼が微笑んだような気がして、それと同時に「先生……」という声が聞こえた。