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はじめてでドタバタな夜と、その後のこと
第2章 順番としてはキスからだけど、その次は?


 その無邪気さと反して、キスだけでは終わらないのだという意思を、暗に口にしている。

 僕が童貞なのは聞くまでもないということに、些かひっかかるものを感じつつも。でも、寺井がそう言ってくれたことで、気持ちが少しだけ楽になったのは確かのようだ。

「じゃあ、続けてみよう」

「え!?」

「キス、続けるの、いや?」

 そう言ってにじり寄る寺井を前にして、僕は大きく頭を振った。

 僕が床についていた右手に、寺井が左手を重ねてくる。

「――!」

 僕より少し低いその体温を感じて、僕たちは再び互いの唇に引き寄せられていった――。

 会話の流れから、再び重ねられた唇。

 僕たちは高鳴りのままに、未知の領域へと進もうとしている。

 良く言えば初々しく――とても、ぎこちなく。

 それ故に、取り留めもないくらい――あからさまに。

 言葉にできない部分を、確かめようとする。

 二度目のキスは、比較的短い時間で終わった。

 唇を離すと、寺井は納得がいかないとばかりに、眉根を寄せる。

「うーん……なんだか、違くない?」

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