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はじめてでドタバタな夜と、その後のこと
第2章 順番としてはキスからだけど、その次は?
頭の中が次第に、ボーっと思考力を失っていくようだ。
ふっ……ん……はぁ……。
キスを続ける内に漏れ出す、寺井の吐息が艶めかしく耳をくすぐる。
否応なく高まる興奮にまかせ、僕たちは懸命に舌を動かし合う。相手の意思を探るように、更に高めるように――。
よく耳にする〝キスの味〟とかって、そんなの具体的になんてわからない。キスをすることに夢中であるのに、深く長く求めると、不思議ともどかしい気持ちも募っていた。
それでも寺井の舌を、自分とは別の意識として口の中一杯に感じた時に、その挙動によって僕の脳内がドロドロに溶かされてしまいそうだと感じる。
目は閉じていても、その感触を与えているのは、間違いなく寺井の蠢く舌あり、吸い着くような唇なのだから。
快感というのは確かに触れ合うことからはじまっていて、だけどそれを激しく燃やすエネルギーは、互いの内から溢れ出るものなのだろう。そう思った。
わけのわからないことを漠然と考えながら、僕は夢中でとても長い間、寺井夏美とのキスを今まさに感じ尽くそうとしている。
「ん、ちゅっ……ちょっと、痛い……」
「――えっ?」
「肩――強くつかみすぎ」
僕は慌てて、寺井の両肩から両手を放した。いつの間に、力が入りすぎたみたい。
「ごめん……」
「いいよ、別に。それよりも」
寺井はそう言いながら、僕の顔を意味ありげに覗き込む。
「なにか、変?」
「うん、変。だって顔が異常なくらい、真っ赤なんだし」
そう言われ両手で自分の頬を触れると、確かに人肌とは思えないほど熱くなっている。