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はじめてでドタバタな夜と、その後のこと
第2章 順番としてはキスからだけど、その次は?


「ふ、ふ、ふ」

 からかうような寺井の笑みに、ちょっとムッとした。

「寺井だって、赤いじゃん」

 僕はムキになった子供みたく、寺井の顔を指差した。

「嘘」

「嘘とか言われても、実際そうだし」

「キスして赤面するなんて、私のキャラじゃないもん」

「知らないよ、キャラとか。じゃあ、自分で鏡を見て確かめたら」

「嫌だ」

「嫌とか、言われても……」

 キスで得たムードを台無しにするように、取り留めもないことを言い合う。そんな寺井の様子をみて、僕は思うのだ。

 もしかして、本気で照れてるのかな?

 その途端、目の前の寺井のことが、急に可愛らしく思えた。

 けれど、その直後。やはり寺井夏美は変な女なのだと、僕は思い知らせれるのである。その行動が照れ隠しの一環なのだとしたら、向かった方向は明後日の遥か彼方だ。

「ともかく。ミッションⅠクリアってことで、次にいってみよう」

 ミッションⅠ――どうやら、キスのことのようだけど。

 そんなことはともかく、次に彼女によって展開された光景に、僕は思わず目を疑うのだった。

「は――?」

 それはシンプルなデザインの、無地のカットソー。寺井は徐に交差させた腕でその裾をつかむと、なんの躊躇もなく胸元をはだけ、それをたくし上げた。

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