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はじめてでドタバタな夜と、その後のこと
第2章 順番としてはキスからだけど、その次は?


「ふう……」

 脱ぎ去ったカットソーから、すっぽりと首を抜き、寺井は息をつく。

 その結果として――。

「……」

 肩口から鎖骨の辺りの白い肌や水色のブラジャー。それが覆い隠す控えめな胸の膨らみが、さも必然であるかのように僕の視線を釘づけにしたのだ。

「あ、あの……寺井さん?」

 期せずして僕は声を震わす。

 そりゃあ僕にしても、キスだけで止めるつもりなんて、さらさらなかったわけであるけれど。だとすれば順番とすればそれで正解なのかも、とも思うけれど。

 それにしたって寺井夏美の大胆さが、僕を怯ませてしまうのも、当たり前のように感じてしまうのだ。

 呆気に取られている僕を見て、寺井が言う。

「ああ、なんかごめん」

「なんで?」

「自分で脱がせたかったのかなって。男って、そういうものなんでしょ?」

「いやあ……どうかな」

「キミは、違う?」

「ま、まあ……そんな風に思わなくも……ない、けど」

 僕が少しだけ正直になった時。

 寺井は脱いだ服をポイッと無造作に床に放った。

「ふーん、そっか。じゃあ――ハイ」

 そうしてクルッと、僕へ背中を向ける。

「え……なに?」

「ブラ、外していいよ」

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