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はじめてでドタバタな夜と、その後のこと
第2章 順番としてはキスからだけど、その次は?
その瞬間を逃さぬようにパチリと目を見開き、ついに僕は寺井の胸を目撃したのだった。
「……………………」
思考がフリーズしたように、僕はそれを凝視していた。まるで、ふたつの膨らみの造形を、映像として脳裏のメモリーに焼きつけんとばかりに。
暫く僕の視線に晒された後で、それに耐えかねたように寺井が言う。
「な……なんか、言いなよ」
「な、なんか、って?」
「別に、思った通りでいいし。貧乳でガッカリとかさ」
「そ、そんなことないよ」
確かに小さめな胸かもしれないけど、僕がそんな風に思うはずがなかった。
小さな膨らみは、寺井が恥ずかし気に身をよじると、ぷるんと揺れる。僕の身体ではあり得ない、プリンだったりゼリーだったりを彷彿とさせる、その質感ひとつ取っても、僕にいいようのない感動を与えて止まなかった。
そして、その揺れの中心に位置するものは――。
「だったら、どう思った?」
「どうって……」
「せっかく見せているんだから、ちゃんと感想を聞かせて。それと、できれば……やっぱ無理にでも、褒めてほしい」
寺井にそう言われ、僕は再度その胸をまじまじと見つめた。
そうしていると、空気に触れているだけでも刺激と感じているかのように、寺井の乳首がその存在を主張するかのように僅か、ツンと強張った。
またしても勝手に感動を覚える僕であるけど、この想いを一体どう表現していいものか、それがわからない。当然ながら、女子を喜ばせるような語彙は持ち合わせていない。
褒めるって……どう言ったら?
難題を前に考えた挙句、僕が発した言葉は至極シンプルだった。
「なんか、さ。とても……かわいい」
それを耳にした寺井の方は、顔を背け面倒そうにポツリと呟いている。
「なに、それ」
怒ったのかな、と思うけど、でも違うみたいだ。