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はじめてでドタバタな夜と、その後のこと
第2章 順番としてはキスからだけど、その次は?


 横を向けたその表情は、前髪に隠れてよく見えないけれども。彼女の頬は、今度こそ言い訳ができないくらいに、紅く染まっていた。

 特にこの寺井夏美の場合、その言動や行動だけが全てではないのだと、僕は実感するのである。

 そして、そんな寺井であるから、僕は本心から「かわいい」と伝えることができた。

 と、まあ、そんな風に思うのも決して偽りではないのだけど。そんな「かわいい」寺井の胸を目の前にすればこそ。

「あの――」

「え?」

「さ……触ってもいい、かな? ……胸に」

 当然ながら、その欲求に抗うことは不可能だった。

 それまでの流れから察して、了解を取らずに手を伸ばしてしまえばいいような気もするのだけど、ついお伺いを立ててしまうのが、やはりヘタレな僕なわけで……。

「まあ、いいけど」

「ホント?」

 と、早速手を伸ばそうとした僕に、寺井がストップをかける。

「ちょっと待って! その前に――」

 流石に寺井は、一筋縄ではいかないみたいだ。

「その前に?」

「等価交換。私が見せた分、そっちにも見せてもらうから」

 また僕に顔を向けると、そんな風に言った。

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