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はじめてでドタバタな夜と、その後のこと
第3章 アクシデントからの流れで、暴発!?


「いたた……」

「ゴメン、大丈夫? 後頭部、打ったの?」

「あ、いや……平気。強打したのは、おしりだけだから」

 心配した寺井にそう返事を返しながら、僕は今の状況をまだ正しく把握できないでいた。

 それを、察したのは寺井の声を聴いた後のこと。

「それなら、よかった」

 言葉と共に、彼女が近づく気配を感じる。

 そして、なにより否応なく自覚せずにはいられないモノがある。それは、少し顔を上げた僕の視界に、真っ先に飛び込んでいた。

 天を目指すように〝直立〟した自分自身である。

「あ……あ……」

 しかも、その向こうからは、四つん這いで近づきつつある寺井の姿が……。

「ちょ、ちょっと待って……今、近づかないでよ!」

 転倒のダメージが残る僕は、とりあえず叫ぶことしかできない。

 だけど寺井は、僕の願いを受け入れそうもなかった。

「眼鏡してないから、近づかないとよく見えないんだ」

 眼鏡はさっき僕が外し、テーブルの上にあった。だからといって、そこまで近づく必要が、果たしてあったのだろうか。

 その時に生じた感情は、およそ身に覚えのない――屈辱!

 なぜなら今、寺井夏美の顔が――

「おお……」

 息のかかりそうな距離で、僕のいきり立つ股間を備に眺めているである。

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