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はじめてでドタバタな夜と、その後のこと
第3章 アクシデントからの流れで、暴発!?
「あ、ごめん。もしかして、痛かった?」
ソレを無造作に右手でつかみ取りながらも、寺井は僕の反応に驚いたようだ。最初よりは遠慮気味に、手の力をすっと緩めている。
だけど、それを開放してはくれない。
「べ、別に痛くはないんだけど。急につかまれたら、誰だって……ああ!」
さっきと異なる刺激に、僕は情けなく声を洩らした。
「それにしても、信じられないほど硬い。骨もないのに、どうして?」
寺井は僕の言うことなどお構いなしに、手に取ったものを備に観察する。口にした無邪気な疑問とは反するように、表面を軽く滑らせる手の動きがやけに艶めかしかった。
「そんなの、しらないから……それより、勝手に触らないで」
こっちはまだ胸にだって触ってないのに、との想いが心の片隅に残されている。
「触られてるの、嫌?」
天然なのか狙いなのか、それは判断しかねる。寺井は人差し指で、つつぅ――と微妙なラインを辿りながら、今度は僕の顔を眺めて聞く。
そんな風にされたら、本当の本当に頭が変になりそうだ。
「嫌とかじゃなく……うう」
「こうなるのって、興奮してるってことなのでしょ?」
言いながら触れるか触れないかの指先を、根元から先端の方に動かしている。そうしながら、寺井はなんとも怪しげな笑みを浮かべた。
うわっ……なんか、凄くエッチっぽいぞ。
寺井夏美の今までにない顔を見た気がして、僕の内側にぞくりと熱いものが込み上げていた。
「こんなの、興奮するに決まってる」
「私がこうして触っているから? でも、その前からなってたみたいだし、私の胸を見たせい?」
また無邪気な質問を向けられ、僕はいい加減にしてとばかりに声を上げる。
「どっちも!」
そしたら、寺井は――。
「へえ、そっか。つまり、私がこうさせてる? とするのなら、少し不思議。けれど、それでいて――」
ささやきかけるように言葉を続けた。
「――なんだか、嬉しいかも」