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はじめてでドタバタな夜と、その後のこと
第3章 アクシデントからの流れで、暴発!?
大きな漆黒な瞳が、ゆらゆらと揺れる。無垢であるようでもあり、高揚しているようでもある。寺井夏美はやっぱり、捉えどころのない不思議な女の子であり、女性経験のない僕にとってはあまりにも未知すぎた。
だからこそ、その未知な生命の妙なテンションに身を委ねたまま、この後の展開を迎えることに、僕は一抹の不安を感じてしまうのだ。
当然ながら僕の方だって、興奮は高まり切っている。その点では男って、あからさますぎる生き物。そのなによりの証拠が今まさに、寺井の掌(て)の中にある。
大学入学以来、友人として接してきた二人だから、現在の状況はあまりに異質で突然すぎるように思えた。それが戸惑いの正体。
寺井は上半身が裸で、僕なんかほぼ全裸で。これ以上もなく男と女がはっきりした上に、彼女は僕の男の部分に示した強い興味を、まるで隠そうとしない。
激しい興奮と劣情の中に突き進めば、なにかを見失いそう。僕は彼女と、ちゃんと向き合いたいのだと感じていたのかもしれない。
「ねえ……一回、落ち着かない?」
「落ち着く、とは?」
「うん、だからさ……とりあえず、放してくれないかな。その、僕の……ソレ」
肘をつき身体を起こした僕の顔を、寺井はキョトンとした顔で眺めてくる。
「なんで? 意味わかんないけど」
眉根を寄せ怪訝そうな顔をした寺井に、僕は慌てて言った。
「先に、話したいことがあるんだ」
このままでは様々な気持ちが曖昧なまま、二人にとって重要なことが終わってしまいそう。僕はそうなるのが嫌だった。
それなのに寺井は、まるでマイペースを貫く。
「いいよ。話して」
「いや、だから……ちゃんとお互い服も着て、それからでないと」
お互いの気持ちを確認しようとする時に、まさか女子に大きくなった股間を弄られたままでいいわけがなかった。
僕にしても、自分の気持ちを整理しきれてるとは言えない。そしてそれ以前に、この状況と怪しさを増す寺井にビビっているのも事実で……。