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はじめてでドタバタな夜と、その後のこと
第4章 なぜこのタイミングで、コンビニに来ているのか?
◆ ◆
一体、僕はなにをしているのだろうか?
時刻はもう、午前三時を回っている。そんな時間に僕は一人、真っ暗な夜道をとぼとぼと歩く。初夏とはいえ、半そでの腕に肌寒さを感じた。それらの状況が、内側の虚無感を増幅させる。
僕はアパートから直線にして約三百メートル先にある、最寄りのコンビニを目指していた。その理由は――
「じゃあ、私がシャワーしてる間に、避妊具(ゴム)を買ってきてくれる」
寺井が僕に、そのミッションを命じていたからだ。
つまりそれは、寺井夏美が僕とセックスをするつもりがある証拠? いや、最初からそういう流れではあったのだけど……。
あんな風にあしらわれてしまった後の僕が、途中から寺井に一方的にからかわれてはいないかと、疑念を生じさせるのも無理はなかった。
だからこそ彼女の言葉に胸を躍らせ、ウキウキで買い物にきてるかといったら、それは断じて違うと言っておきたい。そもそも既に一度〝発射〟させられた僕が、それだけのエロパワーを残留させているのか、未知数だった。
その意味で、僕は寺井の言うように「草食系」なのだろう。若い身体の方はともかく、気持ちが引けてしまっていた。