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はじめてでドタバタな夜と、その後のこと
第4章 なぜこのタイミングで、コンビニに来ているのか?
一応あの後で、二人は更にこんな会話(やりとり)をしていた。
「買に行くって……もしかして、今から?」
「うん、そうだけど。嫌とは言わないよね?」
「嫌とかじゃなく……だけど……」
口籠った僕を見ると、寺井ははあっとため息をついた。
「あのさ、もしかしてだけど。『ああん、このまま私の中に、出してぇ!』とかエロマンガみたいなセリフを、この私に期待してる?」
「ま、まさか! マンガと現実が違うってことくらい、わかってるよ」
「そう、現実はなにかと面倒なの。ということで、童貞クン。買い出しの方――ヨロシクね」
寺井はそれだけ言い残すと、バスルームの扉からその顔を引っ込めてしまった。
そんなわけで、結果。
「あーあ……」
僕は仕方なくコンドームを求めて、深夜のコンビニへと足を運ぶのだった。
しかし渋々でありながらも従うのは、寺井とのちゃんとしたエッチを果たそうとする意志の表れだろう。その点だけは、どう言い訳しても誤魔化しようがなかった。
そうしてエッチをしたら、その後で僕たちの関係はどうなるのだろう? 寺井の方の動機が謎すぎて、僕は先行きに不安を覚えるのだった。
そして不安といったらコンビニに入店時に、若くて幾分チャラチャラとした感じの店員と、顔を合わせた瞬間も同じだった。
「いらっしゃいませぇ」
自動ドアが開くとワンテンポ遅れて面倒そうに挨拶を口にし、若い店員はレジで暇そうにしながら顔だけを上げ僕の方を見つめている。
僕は当然だけど、コンドームを買うのもはじめてのことだった。