この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
はじめてでドタバタな夜と、その後のこと
第4章 なぜこのタイミングで、コンビニに来ているのか?
どうやら僕がいつまでもレジへ来ないから、自分の作業をしようということらしく。今日発売の雑誌の束を解くと、雑誌棚へと並べはじめた。
そこはコンドームのある棚とは背中合わせの位置だから、僕の存在が邪魔だと言わんばかりである。
「すいません……」
僕は聞こえないくらいの小声で言うと、そそくさとドリンクコーナーの方に逃れた。もうどれでもいいから、さっさと買ってしまえばいいと思いつつも。
やっぱ、買いにくいなあ……。
思わぬ場所の新たなハードルを前にして、僕は早くも心が折れそうになっていた。そんな風に途方に暮れながら、コンビニに入店から既に五分が経過している。店員が作業している間は、もう棚にさえ近づき難い感じである。
チャンスが訪れたのは、それから数分後だった。
「すいませーん。レジお願いしまーす」
「あ、只今――」
僕の後に入店したお客に呼ばれ、店員がレジに向かった。
い、今だ!
その隙に例の棚に素早く戻ると、露骨なイメージのものを避け、少しオシャレっぽいデザインのパッケージを選び、ようやくそれを手に取った。
ヨシ、後は買うだけ。別に、簡単じゃないか……。