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はじめてでドタバタな夜と、その後のこと
第4章 なぜこのタイミングで、コンビニに来ているのか?


 どうやら僕がいつまでもレジへ来ないから、自分の作業をしようということらしく。今日発売の雑誌の束を解くと、雑誌棚へと並べはじめた。

 そこはコンドームのある棚とは背中合わせの位置だから、僕の存在が邪魔だと言わんばかりである。

「すいません……」

 僕は聞こえないくらいの小声で言うと、そそくさとドリンクコーナーの方に逃れた。もうどれでもいいから、さっさと買ってしまえばいいと思いつつも。

 やっぱ、買いにくいなあ……。

 思わぬ場所の新たなハードルを前にして、僕は早くも心が折れそうになっていた。そんな風に途方に暮れながら、コンビニに入店から既に五分が経過している。店員が作業している間は、もう棚にさえ近づき難い感じである。

 チャンスが訪れたのは、それから数分後だった。

「すいませーん。レジお願いしまーす」

「あ、只今――」

 僕の後に入店したお客に呼ばれ、店員がレジに向かった。

 い、今だ!

 その隙に例の棚に素早く戻ると、露骨なイメージのものを避け、少しオシャレっぽいデザインのパッケージを選び、ようやくそれを手に取った。

 ヨシ、後は買うだけ。別に、簡単じゃないか……。

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