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はじめてでドタバタな夜と、その後のこと
第4章 なぜこのタイミングで、コンビニに来ているのか?
背後からした声に僕が振り向いた瞬間、ボスンと僕の胸に飛び込んでくるものがあった。
「え……あ……!」
突然の展開を前に、僕は言葉を上手く発することができないでいる。もちろん驚いたのだけど、その驚きは不意をつかれたから、という理由だけではなかった。
「て……寺井?」
そう口にする間にも、全身がメキメキと硬直するようだった。一度、緩和した空気が一気に張り詰めていく。
この胸にしっかりとすがりつく彼女を、僕の方からも抱きしめた。すると、両手が覚えた感触は、すべすべとした素肌の……。
背中から腰の辺りを滑るように確かめると、今抱いている寺井夏美が、全裸であるのだとわかった。
そう実感して、忘れかけた熱がこの身体に急激に蘇ってくる。
「なんか……ゴメンね」
寺井がぽつりと呟く。
どうして、謝るの……?
そんな疑問に、僕の胸に顔を埋めたまま、寺井が静かに答えた。
「私って変わってるでしょう。普通に女の子っぽくするの、なんか苦手なんだ」
確かに、そうみたい。
「昔からそうだけど、男友達といる方がなんか気楽でさ。大学に入ってからなんて、特にそう。もしかしたら、皆に迷惑かけてたかな?」
ううん、そんなことはないよ。