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はじめてでドタバタな夜と、その後のこと
第6章 予期せぬオマケと、それからの日常とは?
「イタタタ……」
仰向けに寝そべる僕を、眼鏡をかけた寺井がじっと見下ろす。
「あのさ」
「え?」
「ホントは、私だって聞きたかったよ。アノ時の言葉」
「アノ時の……言葉?」
僕がそう訊き返すと、寺井はとても不機嫌そうな顔をする。
「あっそ。やってしまえば、それまでなわけですか。結局は身体だけが、目当てだったと? へえ……よーく、わかりました」
そのまま行ってしまおうとする脚に、僕は必死にしがみついた。そうした勢いのまま、今度は寺井を床の上に押し倒してしまう。
「痛ったいなあ! なんなの、もう!」
「ご、ごめん! でも、ちゃんと言うから、まだ帰らないでよ」
「忘れてたくせに」
「わ、忘れてないって……さっきは急で、それに寝ぼけてたし」
「で?」
仰向けになった寺井が、下から真っ直ぐな眼差しを僕に向ける。
そう、僕には寺井夏美に、ちゃんと伝えたい言葉がある。
昨夜、エッチの前に伝えようとした言葉だった。
「じゃあ、ちゃんと聞いて」
「……」