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はじめてでドタバタな夜と、その後のこと
第6章 予期せぬオマケと、それからの日常とは?
そうは言ってみても、睡眠でリセットされた今の気分とあの時とでは、その勢いに落差を感じてしまうのも事実。
それでも、なんとか絞り出すようにして、僕は伝えようとしていた。
「あの……僕は、寺井のことを――」
それなのに。
「あ、やっぱ。今は、いいや」
「――は?」
やはり寺井夏美は、捉えどころのない変わり者である。僕はそんなことを再確認するのだった。
「明日は、月曜日だよね」
「そう、だけど……?」
「つまり、またいつも通りの日常が始まろうとしている」
「つまり……寺井は、なにを言いたいの?」
「自分でも、よくわからないのかも。だけど、さ」
「だけど?」
「またその日常の中で、もう一度――私はキミに、ちゃんと見初められたいのだと思う。そんな、気がしてるんだ」
「寺井……」
「その上で、もし――改めて、それを伝えてもらえるのなら」
寺井はそっと微笑して、こう言うのだった。