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はじめてでドタバタな夜と、その後のこと
第7章 ヘタレな僕と、不機嫌な彼女のその後は?


     ◆     ◆

 よし、今日こそ!

 そう強く心に誓ったのは、週が変わった水曜日のことだ。

 ここまでの流れは、はっきり言って悪化の一途。先週送ったメッセージには【既読】がついた後も返信はない。

 僕の性格からして、それを気にしないはずもなく。今週になってからは講義で一緒になっても「おはよう」の一言すらかけられずにいた。すなわちあれ以降、一言の言葉すら交わしていないのだった。

 寺井がどうしてそこまで頑なな態度を取るのかは、イマイチわからない。グズな僕に業を煮やしたのは間違いないけど、メッセージを無視(スルー)するのは流石に行き過ぎではないか。

 僕がヘタレなのは、寺井だって承知してるはずなのに……。

 とにかく実験実習がある今日なら、班が一緒の僕たちは嫌でもコミュニケーションが必要となる。言葉を交わして気持ちが楽になれば、寺井を誘うこともできる気がした。

 今日の帰りか、改めて別の日でもいい。とにかく僕から誘って、二人になれる時間を作らなくては――。

 なんだ。整理して考えてみれば、なにも難しいことはないじゃないか。なにしろ、僕たちは既に、あんな夜を経験した関係なのだから。

 僕の部屋でのドタバタな夜を思い返せば、思わずにやけそうになる。でも今は、そんな風に気を緩めている場合ではなかった。新たな障害が、文字通り目の前に立ちはだかることになるとは――。

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