この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
はじめてでドタバタな夜と、その後のこと
第1章 寺井夏美は、なにを考えているのだろう?


「あっ……ごめん」

 挙動を乱した僕を、寺井は真顔で諭すように言う。

「もう少しで終わるから。集中して、どうぞ」

「わ、わかってるよ」

 むっとしながら答えたのは、バツが悪かったからに他ならない。どうして手を止めていたのか、その理由を聞かれていたら言葉を詰まらせていたに違いなかった。

 そんなこちらの心理を、実は見透かしていたのかもしれない。寺井は小さくため息をつくと、更にこうつけ加える。

「なにか特別な想いがあるにしても、とりあえず終わらせてからにしよう。私って、そういう性格なんだ」

「特別な想い……?」

「別に……思い当らないなら、それでもいいけど」

「……?」

 またしても寺井の言動が、僕の頭を空洞化させた。さっきから彼女の意味深な言葉に、胸の中をくすぐられている気分である。

 とにかく寺井の言うように、今はレポートを仕上げることに集中しなければいけない。それは寺井の真意をはっきりさせるためでもあり、僕自身に生まれはじめている、この気持ちをはっきりさせるためにも。

 僕は男子校の出身で、大学に入るまで周りに女子なんて一人もいなかった。彼女はもちろん、女子の友達ですらいたことがない。

 しかし男子校だからそうだったというのは、実は言い訳にすぎなかった。ヘタレな僕はきっと共学の高校であったとしても、同じような青春を送っていたに違いないだろう。

 そんな僕が今、自分の部屋で、女の子と二人きり。意識するなという方が、無理な話だった。

 そうだ。僕は今この上もなく、寺井夏美を女の子として意識している。

/99ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ