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はじめてでドタバタな夜と、その後のこと
第7章 ヘタレな僕と、不機嫌な彼女のその後は?


     ◆     ◆

 寺井を連れて、部屋に戻ったのは夕方。カーテンを少し開くと、斜陽が真っ赤な光を注ぎ込んでくる。

 さっきの流れから、告白するのは最早必然である。いくらグズでヘタレな僕だって、流石にこのタイミングを逃す気はない……のだけど。

 告白するに際し、どこか他にいい場所はないかと思慮する内に、結局はアパートの部屋まで帰ってきてしまった。

「こういう時はもっと、雰囲気のある――たとえば、オシャレな店だったり。普通はそういう場所でとか、考えたりするのかな?」

「さあ? 人のことはなんとも」

 寺井はそう言いながら、夕陽が照らしたフローリングの床を眺め、それをそっと靴下の脚で踏む。そうしてから――

「場所なんて、どこでも同じだよ――きっと」

「でも、あれから一週間以上経って、結局はこの部屋だなんて……」

「そう思うなら、今からどこかに行く? それもいいけど、なんだか今日は疲れちゃったな」

 寺井はそう言って、無造作にベッドに腰を下ろす。刹那、背後からの夕陽に華奢な身体が包まれると、その輪郭が淡く輝いて見えた。

 対照的に影となった表情は読めないけど、大きな漆黒な瞳が僕を仰ぎゆらゆらと揺れているのが、とても印象的だと感じた。

「僕は――寺井のことが、好きです」

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