この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
はじめてでドタバタな夜と、その後のこと
第7章 ヘタレな僕と、不機嫌な彼女のその後は?

言った――!
我ながら、すっと出た言葉は、ずっと言いそびれていた気持ち。ようやくそれを口にして、胸の中が熱いもので満たされてゆく。
でも、肝心の寺井の反応は――?
「女子が少ないから?」
「え?」
「周りには女が、私しかいない。だから、自然と気になっていた――違う?」
寺井にそう問われると、僕は悩ましく顔をしかめた。
「そう聞かれると……違うとは言い切れないかも」
「正直だね」
そう言った寺井の口調は、別に怒っている感じではなかった。
「――だけどね。つき合うなんてこと最初は想像もしてなくて、友達として割り切っていたら、その方が気楽で楽しかったと思うんだ」
「じゃあ、つき合うの、よす?」
僕は頭を振る。
「寺井が他の誰かとつき合うなんて、絶対に嫌だ。今日、自分のその気持ちに気づいたんだ。そして、今ならこれもはっきりと言える。僕は寺井じゃなくちゃ嫌なんだ」
「……」
寺井はなにも言わなかったけれど、ぱちりと一度だけ瞬くと、その真っ直ぐな眼差を、ベッドの上に落とした。
そうして、シーツを指で撫ぜながら、話しはじめる。
「そんな風には、見えないかもしれないけどね」
「うん……?」
「私、結構不安だったんだよ。工学部にしたのは自分の意志だけど、実際に入学してみたら、想像以上に周りは男ばかりなんだし……」
「でも、男友達といる方が気楽だって、言ってなかったっけ?」
「それは、随分後になってから思ったこと。はじめの頃は緊張して、誰とも口をきけなかったんだ」
「へえ……そっか」
僕は話を聞き、とても意外だと感じた。

