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戦場に響く鈴の音
第7章 士気



士気は完全に上がった。

万里の本陣からは怯えた馬が逃げ出そうとして土石流に流される姿などが目に映る。

万里は乾季に備えて10万の兵を少しづつ増やしていた。

お陰でビビったうちの兵士が鈴に八つ当たりする事件が起こる。

今や万里の兵は土石流に逆らえず川下へ流されて溺れ死ぬだけの運命だ。

俺はその状況で俺が付けるべきケジメを取る。


「俺の小姓を傷付けた馬鹿はここに居るか?」


土石流を眺めながら兵士達に向かって俺は声を張り上げる。

兵士達に緊張が走る。


「申し訳ございませんっ!」


そう叫ぶ男が俺の前にひれ伏する。


「お前か?」


男はかなりの年配者であり、与えられた甲冑の重みに耐えられないほど痩せている。


「私の…管理する兵士です。」

「つまり班長って訳だな。」

「申し訳ございません。」

「どこの者だ。」

「黒崎様が治める、柊の出身であります。」

「鈴を傷付けた兵士達を差し出せ…。」

「1人は私の息子です。若さで先を見誤った馬鹿な息子でございます。ですから息子の過ちを正す為に親の私がどんな仕打ちでも受けますが故…。」

「息子の代わりに切られる覚悟ってか?」

「御意っ!」


老体なんぞ切っても後味が悪いだけだ。


「お前は切らぬ。但し、今すぐに鈴を傷付けた兵士を解雇しろ。さっさと国へ帰らせるのがお前の身の為だと思え。」


勝てる見込みが出た途端に張り切る兵士達にうんざりする。

俺は大河の拾われっ子だ。

俺の戦は御館様の戦…。

その俺を信用が出来ない兵など必要ない。

万里の首を取れば一般兵にもかなりの報酬が出る。

相手は由国内で50万を率いる兵士長…。

それだけに勝ち戦は兵士達の気が逸る。


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