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戦場に響く鈴の音
第9章 拝命



義父が自分の足で立てるうちは今のままで良いと思う。

俺の答えに満足した義父は笑いながら屋敷の奥へと立ち去る。

今夜の屋敷は賑やかになる。

それが義父には嬉しいらしい。


「だからっ!風呂に入って道中に着てた物は洗濯するのが決まりだ。」

「鈴は汚れてないっ!着物も汚れてないっ!」

「ほー…、そんな風に薄汚れた小姓は寺子屋の方が臭いからと断って来るぞ。」

「鈴は臭くないっ!」

「ひと月も厠を背負ってたくせに、充分に臭いわっ!」


鈴の首根っこを掴んで風呂場へと連れて行く。


「なんで、そんなに風呂を嫌がる?」


柊の街の宿屋では鈴は普通に風呂に入り着物を着替えてた。


「この屋敷の風呂は落ち着かない。」


鈴が頬を膨らす。


「落ち着かない?」

「この屋敷の風呂には、やたらと人が来る。やれ湯加減はどうだとか着替えは済んだのかと…。」

「なら人払いをすれば良いのか?」

「うむ。」


偉そうな小姓に甘いだけの主。


「洗濯は?」

「必ず返してくれるのか?」

「黒崎の屋敷にお前の着物を盗むような泥棒は居ない。全員、義父が雇った者ばかりだぞ。」

「茂吉みたいなのも増えた。」

「茂吉はガキの着物になんか興味を持たぬ。絶景の美女なら話は別だがな。」

「なら洗濯も許す。」


偉そうだが可愛いからと俺は鈴の頬に口付けをして鈴が納得出来るように女中達に鈴の希望を伝える。

そんな俺を呆れた顔で見るのは雪南だ。


「明日の登城では、黒崎様がそんな姿を晒さぬように願います。」


明日の登城では大河家臣が一堂に会する。

その席で俺が鈴に甘いとわかれば鈴を利用する者も出て来ると雪南が俺に釘を刺す。


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