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戦場に響く鈴の音
第9章 拝命



「そういう起こし方はマジで止めろ…。」


朝だと機嫌の悪い俺は雪南を睨む。

雪南は刀を鞘に収めながら


「黒崎様が朝から6回も起こされてるのに起きないからですよ。世間はもう昼だというのに…。」


と淡々と言う。

鈴が起こしに来ると思ってた。

なのに鈴は明け方に床を抜け出し、其れ切り俺の前には姿を見せに来ない。

鈴は?

そう雪南に聞くのが癪に障る。

主のくせに小姓の行動すら把握してない。

朝から凹む俺に容赦なく雪南が説教を始める。


「大体、黒崎様には主としての自覚が…。」


聞いてられない俺は雪南の口を止めるべく、くだらない質問を切り返す。


「直愛と茂吉は?」


俺の質問に対して雪南が馬鹿にしたようにフフンと鼻を鳴らして答える。


「彼らなら、もう客人の扱いは要らぬと朝から自分が出来る務めを果たしておりますぞ。」

「直愛もか?」


下男の茂吉はともかく、直愛は奥州の者…。

それが黒崎の客人である事を拒む意味は…。


「黒崎に仕える気ですからね。」


直愛の気持ちを汲みせよと雪南が俺に詰め寄る。


「直愛か…。」


黒崎に仕える武将として扱うには、どう考えても直愛の能力が追い付いていない。

三男という微妙な立場…。

奥州に花を持たせた上で黒崎の家臣にする必要が乗じる。


「まあ、直愛の事は何とかなるだろ。」


適当に考える俺を雪南が睨む。


「そろそろ登城の準備を…。」


雪南がそう言ったからチャンスとばかりに


「鈴は?」


と聞く。


「既に登城の準備をしております。」

「鈴を登城させられるのか?」

「それは黒崎様が一番良くわかってるはずですが…。」


雪南がまた鼻で笑う。


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