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戦場に響く鈴の音
第12章 混乱
普段は殆ど感情的にならない鈴が綺麗な顔を歪ませて俺の為に興奮する姿が愛おしくて堪らない。
「鈴…。」
涙を浮かべる鈴の頬を撫でてやる。
「神路は酷い…。神路が触るとおかしくなる。神路が触れる部分が全部熱くなって鈴は何も考える事が出来なくなる。ただただ気持ち良くて鈴の身体中が変になる。」
必死に訴える鈴を笑いたくなるのを堪える。
人として…。
女として…。
俺はわかってて鈴に触れる。
鈴の身体をどんな風に触れば、鈴が悦ぶか知ってて鈴をその気にさせて来たのは俺自身だ。
初潮も快感も知らぬ鈴を、こんな風にエロガキにしたのは俺だったと言う鈴の訴えが可愛くて仕方がない。
「鈴…、気持ちいいか?」
頬にあった手を首筋へと撫で降ろすだけで鈴が目を細める。
「神路…。」
「変になっていいんだよ。」
「でも…。」
「女子は何もせず漢に身を委ねてりゃいいんだ。」
「鈴は女子なのか?」
「は?」
突然、真顔になって鈴が聞く、当たり前の質問に狼狽える。
「誰が見ても鈴は女子だろ?」
「だが、神路は鈴を一人前の漢にすると言った。だから鈴は神路の為に漢にならなければと頑張った。」
俺も大概の阿呆だと思うが鈴はその上を行く天然だと思う。
「いや、鈴…、お前はどう頑張っても漢にはなれない。」
「なんとなく、そうかもしれぬとは思ってた。鈴が神路の言ってる立派な漢になりたいと言う度に雪南もおっ父も鈴を不憫な子を見るような顔をした。」
「そりゃ…、そうだな。」
「大河様も、そこは神路とよく話し合えと…。」
鈴を無理矢理に小性にした挙句、漢として育てようとした俺が悪いと皆から責められてる気分になって来る。