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戦場に響く鈴の音
第17章 自慰
俺はまだ大河の御館様のように振る舞えるほど大人じゃない。
自分自身が自由になる為に必要な筆頭老中黒崎という立場と、俺が居なけりゃ生きる意味すら失う鈴が欲しいと駄々を捏ねるだけのガキのままだ。
そう居直って彩里の前に足を投げ出し、着物の合わせを開く。
ゴクリと露骨に彩里の首筋から生唾を呑む音がする。
派手な打掛をバサリと床へ脱ぎ捨てた彩里がゆっくりと俺の足元へと忍び寄る。
俺の股間に向かって、そっと伸びて来る指先…。
「こんな…感じかしら?」
無骨で不器用な指が俺の萎えた魔羅をグネグネと振り回す。
「痛えよ…。」
「ごめんなさい…。」
「口に咥えて舐めるんだよ。歯は絶対に立てんな。」
「はい…。」
眉間に皺を寄せたままで不愉快な表情をする彩里だが、夫に言われた事はやらなければならないという妻の使命感だけで俺の股間に向かって大きな顔を埋めて来る。
姫君とはそうやって育てられた生き物だ。
この世界は女子にとっては生きにくい時代だと誰かが言っていた言葉をぼんやりと考える。
俺の考え事などどうでも良いと、今の状況だけに必死になる彩里のねっとりとした口が俺の魔羅を咥え込む。
少しザラつく舌が蛇のように竿へと巻き付き締め付ける。
鈴に比べて雑な愛撫だと思う。
鈴はそれを愛おしげに舐め尽くし丁寧に愛撫する。
彩里はただ早く勃たせようとする焦りがあり、微妙な痛みを俺に与えて来やがる。
「痛いんだよ。萎えるだろ…。」
「すみません…。」
「ただでさえ萎える女なのに…。」
傷付けるつもりがなくとも、彩里を傷付ける言葉が口を付く。
やっちまったとは思うが、彩里が露骨に目を見開いて俺を凝視すれば、俺の苛立ちがますます酷くなる。