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戦場に響く鈴の音
第17章 自慰
さっさと射精して終わらせたいと思うのに…。
彩里の悲鳴を聞いてると身も心も萎えそうになる。
「クソッタレが…。」
鈴の身体を想像しても、彩里の叫び声が邪魔をする。
「やっ!アーッアーッ!もう…、アンッアンッアンッ!」
多少は俺の魔羅を締め付ける彩里の中で無理矢理に扱いて射精感を促し、耳を塞いで彩里を見ずに鈴の姿だけを考える。
『神路…。』
鈴の笑顔が見えた瞬間、俺の股間が脈を打つ。
「アーッアーッ…。」
女はまだ腰を振り続ける。
射精した魔羅は呆気なく萎え、彩里の中から抜け落ちる。
「黒…崎様?」
「終わり…、俺の上から退けっ!」
「申し訳ございません…。」
自分の状況に気付いた彩里が僅かな恥じらいを見せて俺の上から立ち上がる。
「あの…、黒崎様のお召し物が…。」
彩里が吹き出した愛液でずぶ濡れになってる。
「良い…、帰って風呂に入るだけだ。」
言ってから、しまったとか考えても遅い。
当然のように俺の一言で彩里は嫌な表情を浮かべて眉を眉間に寄せてから俯く。
帰る…。
本来なら妻である彩里のところへ俺が帰って来てなければならないのに、俺の感覚は小姓である鈴のところへと帰るのが当たり前になっている。
「離宮とはいえ、ここも黒崎様の御屋敷ですわ…。」
掠れたハスキーな声が愚痴を零す。
いがみ合いしか持たぬ夫婦関係が嫌になる。
「ああ、そうだな。」
彩里の言う通りだと認めてやる事しか俺には出来ず、顔を上げた彩里の表情すら見る事もせずに立ち去る。
部屋を出て廊下まで抜ければ、廊下の柱に凭れて腕組みをしたまま俺を待つ雪南が俺の方へと顔を向ける。