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戦場に響く鈴の音
第19章 強欲
キラキラと輝き、小さな宝石の様な光を放ってる。
あの様な街が西方領地には幾つもあり、それは俺が守るべきものだと言われている気になる。
なのに…。
小さな手が俺の顔を無理矢理に宝石から背けさせてから自分の方へと向けさせる。
「神路は…、鈴と早く床に入るのは嫌なのか?」
少し切ない拗ねた声…。
小さな唇が俺の首筋を這いながらチュッチュと音を奏でる。
袂から入れられた小さな手が俺の胸板をゆっくりと撫で回す。
鈴の指先が乳首へと触れる度に自分の股間に熱を出し感じる。
毎夜のように抱いてる女子だというのに、飽きもせず女子が出す拙い色香に身体が反応してしまう。
「義父を迎え入れる準備は終わったのか?」
感じてる興奮を抑える為だけに鈴に聞く。
「おっ父の好みは雪南から教わった通りに全て用意が出来たと思う。」
俺の好みを既に知り尽くしている鈴はそう囁きながら小さな唇で胸元で口付けを繰り返す。
「もしかして…、神路は怒ってるのか?」
ふと鈴が情けない表情を浮かべて俺の方を見上げる。
「俺が?」
「今日は…、鈴が神路にいっぱい淋しい思いをさせてしまった。鈴は淋しいといつも神路に腹が立つ。」
「俺は怒ってないよ。」
「でも…。」
疑うような視線を感じる。
鈴の誘いに乗らない俺を訝しむ仔猫が金色の瞳を光らせる。
「柑は楽しかったか?」
別に嫌味で聞いたつもりは無い。
ふと、俺が戦場以外の場へ鈴と出掛けた思い出が無い事に気付いただけだ。
「燕よりも小さな街だった。でも…、誰もが幸せそうに笑ってる良い街だったと思う。」
鈴が話をしてくれるだけで気持ちが穏やかになる。
愛しき女子の髪を撫で、耳を撫で、首筋へと指先を下ろす。