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戦場に響く鈴の音
第19章 強欲
ただ緩やかに…。
鈴を苦しめるだけの繋がりは嫌だと小さな肩に口付けをしてゆっくりと腰を突き上げる。
「来てっ!」
鈴が最後の悲鳴を上げる。
足の付け根や腰がもぎ取られそうな感覚がする。
「うぅっ…出るっ!」
全てを鈴の中でぶちまける。
脈打つ魔羅が何度も射精し、精子を鈴の子宮に注ぎ込む。
横たわる鈴が俺の首に腕を回し、余韻を貪るように口付けをする。
「愛してるわ…。」
そう囁く鈴が瞳を閉じる。
女の顔があどけない少女の顔へと変わり、小さな寝息を立てる。
「ああ…愛してる。」
少女を腕の中に抱えて眠る。
夜明けなど来なければ良い。
この暗闇だけでも鈴と俺には充分だ。
2人だけで居られるのなら…。
そんな囁かな願いが叶うはずもなく、昼を過ぎた頃には雪南が俺を呼びに現れる。
「御館様が到着されます。」
珍しく緊張を帯びた声を雪南が出す。
俺も鈴も既に準備は出来ている。
簡易とはいえ、今日は誰もが正装に着替え玄関口にある長い座敷で黒崎当主を出迎える。
ズラリと並ぶ家臣は黒崎全体の3分の1…。
残りの黒崎家臣を引き連れた当主が黒崎の家紋を掲げた輿に乗り、長い大名行列の中から抜け出すと屋敷の門を潜るだけで玄関口に居た家臣が一斉にひれ伏する。
俺や鈴、雪南や須賀などの主立った家臣は玄関前まで出て、当主が乗る輿が落ち着くまで地面に跪いたまま待ち受ける。
輿の戸が開けられ、我らと同じ簡易正装に身を包む当主がゆっくりとした足取りで姿を現すだけで、この屋敷の空気がピリピリしたものから穏やかなものへと変わってく。
「鈴…、側へ…。」
居並ぶ家臣の誰よりも先に当主は鈴を呼び付ける。