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戦場に響く鈴の音
第22章 初夜
結果を考えもせず、我が物顔で俺を手に入れるのは自分だと勘違いする女が一人で悦がり、悶え喘ぐ。
「あんっ…、あっあっ…、あぁ…、」
限界だと思う。
彩里が熱を帯れば帯びるほど俺の気持ちが冷めていく。
「アーッ…。」
見苦しい乳が振り子のようにブルブルと振れる。
ズルりと萎えた俺の魔羅が彩里の膣から零れ落ちる。
「神路様…?」
「疲れたと言ったろ?今夜はもう勃たねえよ。」
「そんな事は…。」
彩里がムキになったところで、俺の身体は反応しない。
「悪いな。初夜は終わりだ。もう日付けが変わる。」
「このまま、ここに泊まって行きますよね?私達は夫婦なのですから…。」
「俺は主屋に戻る。屋敷の主が離宮などで生活は出来ぬ。」
「ならば私も主屋へ…。」
「認めぬ…、それが婚姻の条件だと忘れたか?笹川の姫よ…。」
妻となったところでお前は笹川の姫なのだと、今一度、彩里に再確認させる。
黒崎は由の笹川を許した訳じゃない。
そもそもが、これ以上の無益な戦をせぬ為に結ばれた婚姻…。
無理矢理に妻だと押し付けられても俺の心が受け入れない。
「ならば明日は?」
食い下がる彩里を疎ましいとしか感じない。
「明日から、少し屋敷を留守にする。」
屋敷に居る限り、離宮に通う条件だが留守にすれば条件に縛られる必要がなくなる。
「いつ、お戻りに…。」
「さあな…。」
最後は彩里の手を振り払い、虹色に歪む部屋から出る。
「お疲れでしょう。」
俺に同情する雪南が俺の一歩後ろ側に付いて寄り添う。
「本気で疲れた。」
「でしょうね…。」
「風呂に入って、部屋に戻る。」
雪南は静かに目を伏せる事で理解をしたと態度を示す。