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戦場に響く鈴の音
第25章 家族



夕食でご機嫌なのは義父と鈴であり、俺のとばっちりで義父に叱られた雪南だけがかなりの不機嫌を顔に出す。


「何故、私が…。」


キッと俺を睨む雪南の盃に酒を注ぐ。


「まあ、飲め…。」


と共犯を作ろうとする俺に


「「神路っ!」」


と鈴と義父が叫び出す。

本当に賑やかな屋敷になったと苦笑いしか出て来ない。


「なあ、雪南…。」

「はい…。」

「次は斎我も一緒に食事をしようと伝えてくれ…。」

「しかし、斎我は…。」

「構わぬ。俺達がお代わりをせねば良いだけだ。」


庖丁人は台所から離れる事が許されない。

それでも斎我は雪南の兄で俺達の家族だと思う。

これが俺の家族で守りたい者達の顔だと、心に刻み付ける。


「酒はほどほどにな。」


先に食事を済ませた義父が席を立ち、雪南は後片付けをするからとやはり席を立つ。


「そこまでだ。」


俺から盃を取り上げる鈴が笑う。


「もう少し…。」

「駄目だ。今日は神路も疲れてる。悪酔いするだけよ。」


クスクスとご機嫌に笑う鈴に従うしかない。


「絖花と何を話したのだ?」


そこは気になると鈴に聞けば


「野暮だと絖花に叱られたでしょ?」


と鈴が呆れた顔をする。


「俺に秘密を持つ気か?」

「秘密が多いのは神路だ。鈴に秘密など有りはせぬ。」

「ならば吐け…。」


鈴を膝に抱えて、その胸元を探る。


「酔ってるのか?」


俺の手から逃れようとする鈴が睨む。


「明日…、離宮へ行く。」


鈴に隠し事はないと白状すれば、じたばたしていた鈴が固まる。


「行く…のか?」

「ああ、無視は出来ぬ。」

「そうだな…。」


悲しみを瞳に宿す女の首筋に口付けをする。


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