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戦場に響く鈴の音
第27章 道中
「おい…。」
危ないからと声を掛ければ
「神路も…。」
と低い崖の上から鈴が俺に手を差し伸べる。
「鈴じゃ、俺の体重を支えられぬ。」
仕方がないと崖に登れば鈴が崖の上へと駆け出す。
「鈴っ!」
「こっちっ!」
すばしっこい仔猫が崖の先へと進む。
その先が少しづつ見えて来ると仔猫が何故、わざわざこのような場所まで来たのか理由がわかる気がする。
「凄いな…。」
崖の先に一本だけ佇む巨木…。
桜の木だ。
満開に咲き誇る桜の花が崖に風が抜けるたびに崖下へ花びらを散らしてる。
崖下は俺達が居た野原…。
点在する天幕や兵士達の動き回る姿が見える。
「あの全てが神路の兵だ。皆が蘇を守る為に神路について来た兵なのだろ?」
月明かりの下で鈴が笑う。
散り行く花びらが鈴を纏う。
「そうだ。俺の兵士だ。」
「神路の兵は神路の為に由の民も救う。鈴や神路のような子をこれ以上は増やさない為に…。」
それは怒りで我を忘れがちな俺に言い聞かせる言葉…。
鈴が桜の木へ背を預けて目を閉ざす。
「来て…。」
袴が地へ落ち鈴が小袖の帯を解けば、白い裸体が大きな桜の幹に浮かび上がる。
「こんな場所でか?」
鈴の裸体を隠すように覆い被さる。
「馬上より良い…。」
そう言って鈴が笑う。
俺の手が鈴の胸に触れれば、鈴の手が俺の顔へ触れる。
「愛してる…。」
鈴が掠れた声で囁く。
口付けを鈴と交わす。
俺が愛して良いのは鈴だけだと鈴が脚を開き、俺は鈴の前に跪く事しか許されない。
「──っん…。」
鈴の股間を撫で、無駄な肉の無い内腿へ口付けをすれば、小さな手で自分の口を塞ぐ鈴が月を見上げる。