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戦場に響く鈴の音
第1章 謀叛



「あっさりと開城するとはな。これが由からの攻撃であったなら洒落にならん話だ。」


御館様が鬼となり梁間を全面排除すると決断したのはその為もある。

敵に攻め込まれた際、本軍の到着まで持ち堪える砦でなければ守りの要の意味を成さぬ。


「愚な者に蘇の国の要となる砦を任せるなど、絶対にあってはならぬ話だな。」


だから俺が梁間に引導を渡す。

梁間には一度だけ投降の猶予が与えられた。

梁間はそれを無視した。

従って俺は御館様より配し刀を一振りして梁間を討つ為に西元城へと出向く羽目になる。

全ては御館様の為に…。


「梁間は本丸に…。」


城へ乗り込む俺と雪南に伝令が入る。


「梁間を討ち堕とす。」


まだ迷いを見せる雪南に言い聞かせる。


「梁間の肉親は全て、その場で切り落とせ…。」

「しかし、梁間の身内は女子供…。」

「その女が我が子に梁間の敵は御館様だと吹き込む年月を与えろと言うのか?」


雪南の綺麗事を聞いてる暇(いとま)は無い。

どんな形であれ御館様への遺恨が生まれる戦である事に変わりはない。

此度の残忍な戦に対する嘲りも罵りも、俺が全てを受ければ済む事だ。

漆黒の魔王の一本刀と言われた立場は伊達でない。


「黒崎様…。」


往生際の悪い雪南に笑う。


「本丸に向かう。嫌なら来るな。」


雪南を突き放し、梁間討伐に向かう。

御館様に歯向かう者を排除するのが俺の仕事…。

黒崎家とは代々に渡り大城主、大河の筆頭老中を務める一門である。

何処の馬の骨ともわからぬ俺を拾った御館様が俺の為に与えてくれた家…。

黒崎の義父はもう老体で子を望めはしない。

御館様の命だけで義父は俺を引き取った。

今こそがお優しい御館様への恩に報いる時。

今日まで俺が無事に生きて来れたのは全てが御館様のお陰なのだ。


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