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戦場に響く鈴の音
第1章 謀叛



御館様の為に…。

脇目も振らず本丸へと突き進む。

道中で女子供の悲鳴がする。

城は開城された段階で火消しが始まった為に大して焼けずに済んでる。

後は俺が率いた兵士が梁間の兵士を抑え込む。

投降し御館様に忠誠を誓う者は生かしておくが抵抗する者は容赦なく切れと命じてある。

どうせ下々の配下はすぐに投降する。

下級の兵士として雇われてる程度の者は自分の家族に飯を食わせる為だけに城主に仕えてる。

忠義など必要の無い身分であればこそ雇用主は出来るだけ金払いの良い方が有難いに決まってる。

ここで面倒なのは梁間の側近だけだ。

しかし、その側近の裏切りによって梁間が由へ向けた密約が漏洩されたのも、また事実。

論より証拠、本丸へと向かう俺の姿を見た梁間の兵士は片っ端から刀を捨てて両手を高く上げる。


「梁間が居る本丸は?」


俺に向かって両手を万歳して来る梁間の側近らしき若き男に問い質す。

男はゆっくりと俺の前で跪く。


「その先の階段を上がった所でございます。」


どうやら若き男は俺が黒崎の一門だと理解が出来るレベルの家臣のようだ。

俺に対し、大河の名代だと理解をしてるからこそ若き男は臣下の礼の姿勢を貫く。

下級兵士程度では今回の攻撃を何処から受けたかすら理解していない。

この若き男は俺とさほど変わらぬ年代であり、生まれとして梁間に忠誠を誓う一族では無く、後に大河に仕える為の布石として梁間に付けられた可能性もある。

ここは国境の砦…。

親が大河に仕える武士の家門ならば、我が子に僅かでも武勲を取らせようと一時的なれど国境砦に派遣する事がしばしばある。


「お前の名と身分を明かせ…。」

「名は奥州 直愛(おうしゅう なおちか)、身分は梁間付き目付けとなっておりますが…。」

「皆まで言う必要は無い。」


奥州の家ならば、やはり派遣された者…。


「此度の密書発覚はお前の功績か?」

「差し出がましいかとは思いましたが…。」


直愛は出しゃばる事も無く頭(こうべ)を垂れる。


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