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戦場に響く鈴の音
第30章 予測



「本当に2万で落とせるのか?」


疑う訳では無いが、佐京を雪南のように信用は出来ない。


「出来んじゃねえの?見た限り中には8万も居ない。それに使えない親父の兵じゃ俺の動きについては来れない。俺専用の兵だけで攻めた方が動きは早い。1人が5人を倒せば済む事だ。」


佐京専用の兵…。

茂吉を預かった羽多野が特別遊軍という形を取ったのは佐京がそのやり方で成長したからだ。

枠に嵌らない佐京や茂吉のような人間は、自分用の兵を気ままに使わせた方が戦力になる。

佐京の兵は、その中でも特別な連中ばかり…。

蒲江の借り物の兵しか使えない雪南が歯ぎしりをする。


「わかった。出陣は明朝とする。それまでは佐京…、わかっているな?」

「大人しくしてますよ。朧攻めが終われば蒲江の坊やに活躍をして貰わなければならないからな。」


朧を落とした後始末に雪南が必要だと佐京が暗に匂わす。

ここまでは雪南の戦略で来た。

黒炎を黙らせる策略も含め、雪南の戦略は絶対に必要となる。

状況が変わる以上、雪南も佐京に振り回されている場合ではない。


「雪南も…、戦場では幾らでも状況が変わる。次の対応を考えて貰うからな。」


佐京が言う通り、ここで雪南の考えを完全否定は出来ない。


「次の手は打ってあります。」


不貞腐れた雪南は、そう言い残して天幕から勝手に出て行く。


「あらら、蒲江の坊やが拗ねちゃった。」


垂れ目でヘラヘラと笑う佐京を睨む。


「佐京…、くれぐれも…。」

「坊っちゃんの評判を落とすなってか?既に西元の鬼と言われてんだろ?ああ、あの作戦も確か蒲江の坊やの…。」

「黙って自分の役割だけを果たせ…。」


俺に逆らうなら、佐京といえどこの軍勢の副将から外すと脅すだけで精一杯だ。


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